
「夜勤を辞め日勤だけの職場に転職したい」
「残業続きで疲弊している」
こんな思いを抱えていませんか?
デイサービスはなんとなく想像ができるけど看多機(看護小規模多機能型居宅介護)って?
どんなことをしているの?
看多機で働く看護師の役割や仕事内容は?
看多機について詳しく知らない人がほとんどです。
そこでこの記事では、実際に看多機で3年働いている看護師が、看多機での看護師の仕事内容ややりがい、大変さをお伝えします。
この記事を読めば、看多機での看護師の仕事内容ややりがい、大変さが理解でき、自分に向いているかどうかがわかります。
転職しようか迷っている看護師はぜひ最後まで読んでみてください。
看多機(看護小規模多機能型居宅介護)とは
サービス内容
看護と介護を一体的に提供するサービスです。
「訪問看護」と「小規模多機能型居宅介護」を組み合わせたサービスで、「通い」、「泊まり」、「訪問介護」、「訪問看護」サービスを提供します。

出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091038.html)
厚生労働省の説明にはこのように記載されています。
基本的にはデイサービスのように「通い」が中心となりますが、自宅への訪問や1泊~1か月ほど宿泊することも可能です。
登録定員は29名までであり、1日の通いの利用定員はおおむね15名以下の小規模な施設です。
小多機との違い
似たようなサービスに小多機(小規模多機能型居宅介護)というものがあります。
小多機は「通い」「泊まり」「訪問介護」を組み合わせたサービスです。
看多機はそれに「訪問看護」を足したサービスになります。
これにより、より医療依存度の高い方も利用できるようになるのです。
利用者の特徴
要介護1~5の方。うち要介護3以上の方が63.7%にのぼります。
医療依存度が高く、他のデイサービスなどの受け入れを断られた方も利用可能です。
実際にいる利用者として、末期がん、難病、人工呼吸器装着、胃瘻、経鼻栄養、インスリン、ストマなどの状態の方が挙げられます。
看多機の看護師の仕事内容
看多機において、
・看護師の人員配置は常勤換算で2.5人以上
・通いサービス及び訪問サービス提供のうちそれぞれ1人以上は保健師、看護師又は准看護師
と厚生労働省で定められています。つまり、基準上は日勤帯で看護師が1人以上いればOKなのです。
実際には看護師だけで2~5人程度の日勤者数の事業所がほとんどです。
看多機の看護師の仕事内容は大きく6つに分けられます。
一つずつ説明していきます。

体調確認やバイタルチェック
来所された利用者のバイタルサイン測定を行い、体調の確認を行います。
排便の有無や全身状態を確認し、入浴できるかどうかの判断などを行います。
排便コントロールがうまくいっていない場合や、低血圧が続く場合などは、ご家族や主治医と連絡を取り、薬の調整などができるよう情報提供を行います。
内服管理
持参された内服薬を確認・配薬し、看護師自身で与薬または介護スタッフが与薬できるよう申し送りを行います。頓用薬など調整が必要な薬があれば、状態を見て与薬するかどうか判断します。
利用者が受診をされた際には薬の変更がないか確認し、現在内服している薬の情報を整理します。降圧薬や便秘薬が追加された場合など、日常生活に影響が出てくると判断される場合は、日々のケアで注意してほしい点を介護スタッフにも周知します。

医療処置
胃瘻・経鼻栄養、Ba管理、導尿、CVポート管理、インスリン、浣腸や摘便、点滴、吸引、在宅酸素、食事介助などのケアを行います。
医療処置で頻度の高いものは胃瘻・吸引・Ba管理・浣腸や摘便・褥瘡処置になります。
家族対応
退院後、初めての在宅介護となるご家族も多いので、おむつ交換や吸引の仕方などを家族に指導することもあります。
日々のご自宅での様子を伺い、ご家族の介護負担を減らすことができるようケアの仕方を工夫することも看多機の看護師として大切な役割です。
ご本人だけでなくご家族に対しても、病気や治療の情報を適切に提供し、不安や迷いをできるだけ軽減させた状態で意思決定できるよう、専門的な立場から支援する必要があります。
病気の進行、孤独、死への恐怖などさまざまな不安を受け止め、共感し、安心感を持ってもらえるよう努めます。
緊急時の対応
緊急時には24時間体制で連絡を受け、自宅への訪問や往診医への連絡を行います。
バイタルサインのチェックや全身状態の観察を行い、ご家族や主治医と連絡を取り、迅速に必要な治療や緊急搬送が行われるよう対応します。
医師の指示のもと、吸引や酸素投与、点滴投与を行うだけでなく、ご家族や利用者が不安にならないよう状況の説明や今後の見通しを伝え、精神的支援を行うことも大切です。
ご家族に代わって救急隊や主治医に状態の説明を行ったり、緊急搬送時に救急車に同乗することもあります。
多職種との連携
日々の状態の変化を主治医に報告することで、薬や栄養剤の調整をしてもらい適切な治療が受けられるよう支援します。緊急時の主治医への連絡も看護師が行うことで、より正確に状況を伝えることができます。
介護スタッフが夜勤に入り、看護師はオンコール体制となる事業所がほとんどなので、夜勤帯で介護スタッフが困らないよう、また、適切なケアを提供することができるように、申し送りをする必要があります。
日中のうちに行えるケアを行い、異常の早期発見や対応を行うことで、夜勤帯での急変のリスクを最小限に抑えます。
看護の視点から利用者をみて、必要と判断したケアやサービスがあった場合はケアマネジャーに相談し、ケアプランにその内容を盛り込んでもらう必要があります。
介護スタッフにケアの方法を変更・統一してもらうためには、管理者への相談が必要となります。
このように、看多機の看護師は、家族・主治医・介護スタッフ・ケアマネジャー・管理者など、様々な人と連携・関係構築を行うことが大切になります。

看多機の看護師のやりがい
利用者の生活に寄り添うことができる
病院と違って柔軟に対応できるので、その人らしさを表現し自宅で過ごせる喜びを提供できます。生活に寄り添うことができるのです。
通いの際には普段の様子を見ることができ、訪問時に家での様子や住環境を確認することができ、泊まりの際に夜間の様子を知ることができます。包括的に利用者を看ることができるので、生活の質(QOL)を上げるためには、どこにフォーカスを当ててアプローチしていくのが良いのかを考えることができます。
病気を治すのではなく生き方を支える
看多機は在宅生活を支えるためのサービスという位置づけなので、「病気を治す」よりも「どう生きるか」という、生き方を支えることにフォーカスを当てています。
必ずしもゴールが病気の治療ではありません。
病気と共存しながら、その人らしく生きるための治療・療養方法を考えます。
一人一人と密に関わることができる
利用者の人数が少なく密に接することができるので、じっくり丁寧に関わることができます。長期的に関わることができ、利用者が良くなっていく姿を見られることも看多機の看護師の良いところです。
はじめは全く経口摂取ができず、CVポートで高カロリー輸液を投与していた方が、嚥下訓練により胃瘻→経口摂取へと変化していった事例もありました。
ワークライフバランスが取りやすい
業務が煩雑ではなく、イレギュラーや緊急なことも少ないため残業もない施設がほとんどです。ワークライフバランスを取りやすい職場といえます。
基本的には看護師が夜勤に入ることはないので、規則正しい生活を送れます。
自分の意見が届きやすい
小さな職場なので、自分の意見がすぐに届き反映されやすいです。これはデメリットにもなり得ますが、大きな組織の中で腑に落ちないまま、決められたルールに則って仕事をしている人にとってはメリットとなるのではないでしょうか?
看多機の看護師の大変さ
自分一人の責任が大きい
看護師の人数が少ないため、自分一人の責任が大きいです。
医師が常駐していないため、医療的視点で利用者を見ることができるのは看護師のみです。
何か問題が起きたときに「ちゃんと見ていなかったのか」「防ぐことはできなかったのか」と問われてしまうため、予防的視点で見ていく必要があります。
緊急時に判断を求められることも多いですが、だいたいは2人以上看護師が勤務しているので、相談はできると思います。
毎日の利用者の観察はもちろん、家族の介護力も見極めたうえで、問題なく在宅生活を継続することができるよう支援する必要があります。
寝たきりの利用者の主介護者であるご家族も高齢であった場合、こまめな体位交換は行えないと予測し、エアマットの導入や栄養状態の改善、排便コントロールの方法などを検討し褥瘡予防に努めることが大切です。
医療知識が十分でない人々との関わり
看多機にいるスタッフのうちほとんどが介護士です。介護スタッフには医療知識が十分にないため、利用者の身体的状態に対して同じ認識を持ってもらえないことがあります。
また、伝えたつもりでも介護スタッフが理解できていないこともあるため、介護スタッフにもわかる言い回しで説明する必要があります。必要に応じて、介護スタッフに対して指導や教育をすることもあります。
管理者・ケアマネジャー・介護スタッフ、家族と良好な関係構築を行うことも、看多機で働く看護師として求められるスキルです。
看多機の仕事に興味がある看護師へ
看多機の看護師は大変なこともありますが、利用者の生き方を支え「その人らしく過ごす」を実現することができます。
関係構築のためのコミュニケーションや、予防的視点を養うことなどスキルアップを図るチャンスもあります。
看多機の看護師になることで夜勤から解放され、規則正しい健康的な生活を送ることができます。育児と仕事の両立もしやすいと考えられます。
ワークライフバランスの取れた看多機で看護師として働いてみてはいかがでしょうか?


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