「子供の体が熱い!」「でも手足は冷たい…これって大丈夫?」
子供の発熱時、どう対応すればいいか迷う保護者の方は多いですよね。
「少しでも楽にしてあげたいけど解熱剤は使うべきなのかな?」「熱性けいれんが怖い…」
正しい知識がなければ子供の体に余計な負担をかけてしまうリスクがあります。
小児科での勤務経験を持つ看護師としてお伝えしたいのは、
“手足が冷たい時に冷やすのは逆効果” ということ。
また、熱性けいれんの起こりやすいタイミングがあるので、それさえ知っておけば漠然と不安を抱えずに済みます。
この記事では、家庭でできる発熱時のケアと注意点を、わかりやすく解説します。
子供の発熱時、まず確認したいこと

発熱は、ウイルスや細菌などの感染症と戦うための体の防御反応です。つまり、熱そのものは悪いことではなく、体がきちんと働いている証拠でもあります。
まず確認したいのは以下の3つのポイントです。
元気さや食欲があるか、水分が摂れているか
子供は本当に熱があるの?というぐらい、高熱でもいつも通り元気に遊んでいることがあります。
ご飯を食べる元気もあり、水分もいつも通り摂れている場合、緊急性は低いです。
おしっこや汗、涙が出ているか
泣いているのに涙が出ない、おしっこが6時間以上出ていないといった場合、脱水が疑われます。
おしっこは出ているけど色が濃い(オレンジ色)の場合も脱水のサインです。
脱水のサインとして、唇がガサガサ、舌が乾燥している、皮膚のハリが悪い(手の甲やお腹皮膚を軽くつまんで、戻るのが遅い)もあるので、確認してみてください。
脱水のサインがみられた場合、お茶やOS-1、ジュースなどの水分補給をさせます。
なかなか飲みたがらない場合、フルーツやゼリー、ヨーグルトなどからも水分を摂ることができるので試してみてください。
少しずつでも「与え続けること」が大切です。
機嫌や顔色の変化、ぐったりしていないか
ぐったりしていてずっと横になっている、顔や唇が青白い、ご飯や水分を欲しがらない場合は注意が必要です。
眠っている時は無理に起こす必要はありません。体力を温存していたり、ウイルスと戦っていたりするのです。
起きたタイミングで、食べられるものを少しずつ食べさせてあげましょう。ゼリーやうどん、おかゆなど喉越しの良いものが食べやすいです。
この時期は、とにかくウイルスと戦うだけの体力をつけることが大事なので、栄養バランスなどは気にせず、本人が欲しがるものを与えましょう。
子供の発熱時に家庭でできる対処法

手足が冷たいときはどうすればいい?【熱が上がる前のサイン】
手足が冷たい時は、まだ熱が上がり切っていません。
体の中心部ではすでに体温が上昇していますが、手足の末端の血管が収縮しているので、手足は冷たいまま。まだ体が熱を作り出している最中なのです。
この時にクーリングによって体を冷やしてしまうと、体温を上げようと頑張っている体に余計な負担をかけてしまいます。
子供は寒気を訴え、ガタガタ震えるかもしれません。
そのため、この時期に*クーリング(冷やす)*は逆効果です。
布団や衣服でしっかりと温めてあげましょう。
汗をかいたらこまめに着替えることも大切です。
この段階では無理に体温を下げる必要はありません。
子供が寒がるようなら、抱っこして温めてあげましょう。
熱が上がりきったら、クーリングで体を楽に
しばらくすると、体温が上がりきり、手足が温かくなってきます。
ここからが*クーリング(冷やす)*を始めるタイミングです。
首・わきの下・太ももの付け根といった太い血管がある部分を冷やすのが効果的です。
クーリング以外にも以下の対応方法が挙げられます。
- 厚着させすぎず、布団や空調で調整する
- 水分をこまめに与える(経口補水液・麦茶・ゼリーなど)
- 汗をかいたらこまめに拭いて着替える
子供は体温調整機能が未熟なため、衣服や空調で快適な環境を作ってあげることが大切です。
また、子供は汗や不感蒸泄(皮膚からの蒸発)などで簡単に体内の水分が奪われてしまうため、脱水になりやすいです。
そのため、こまめな水分摂取が重要となります。
24時間以内が最も「熱性けいれん」が起きやすい時期
小さな子供に多い「熱性けいれん」は、発熱から24時間以内に起きることが多いです。
特に何度も繰り返す子供は「発熱開始から2時間以内」に起こすケースが多いというデータがあります。
そのため、発熱開始から24時間以内は注意して子供を観察する必要がありますが、それ以降はそこまで心配しなくて大丈夫です。
解熱剤は「使うタイミング」を見極めて
「熱が高いから」とすぐに解熱剤を使いたくなるかもしれません。
しかし、熱は体がウイルスと戦うために必要な反応です。
むやみに熱を下げるのはおすすめできません。
- 38.0℃以上の熱があり、辛そうにしているとき
- 食欲がない・眠れない・ぐったりしているとき
- 医師から指示がある場合
一方で、元気があり水分が取れているなら、体温が高くても無理に使わなくてOKです。
熱を無理に下げても病気の治りが早くなるわけではありません。
子供の様子を観察し、解熱剤は「つらさ」を和らげるために使うもの、と考えてください。
ただし、39.0℃以上の高熱が持続していると熱性けいれんが起きるリスクが高まるというデータもあるので、熱性けいれんを何度も繰り返している子供の場合は、元気があっても解熱剤の使用を検討してもいいかもしれません。
※熱性けいれんの予防としては、抗けいれん薬(ダイアップ)が最も効果があります。ダイアップを使用した場合、30分空ければ座薬での解熱剤(アルピニー、アンビバなど)を使用できます。
子供の発熱の受診の目安

子供が発熱した際、受診するか迷う保護者の方も多いと思います。
受診の目安として6つのポイントを説明します。
生後3か月未満で38℃以上
赤ちゃんはお腹にいるときに胎盤を通じてママから免疫をもらい、生後6か月ごろまでは、その免疫に守られています。
にもかかわらず、生後3か月未満の赤ちゃんが38℃以上の高熱が出ている場合、重い病気のサインかもしれません。
また、生後3か月未満の赤ちゃんは体の機能が未熟で重症化しやすいです。
ぐったりして呼びかけに反応が乏しい
いつもより元気がなくぼーっとしていたり、呼びかけても反応が鈍い場合は注意が必要です。
脱水や重い病気、脳炎などの可能性も考えられるため、早めの受診が大切です。
水分が全く摂れない
発熱時は汗や不感蒸泄(皮膚からの蒸発)により体の水分が奪われやすいです。
子供は大人よりも必要な水分量が多いので、脱水になりやすいです。
口から水分を摂れない場合、点滴などで水分を補う必要があります。
おしっこ、汗、涙が全く出ない
これは重度の脱水のサインです。
おしっこが半日以上出ていない、泣いているのに涙が出ていない、唇がガサガサしているといった場合、速やかに受診してください。
呼吸が苦しそう、ヒューヒューしている
子供は気道が狭いので、痰や鼻水で簡単に詰まってしまいます。
家庭用の吸引機では、しっかり鼻水を吸ってあげることができません。
鼻水が多くて苦しそうな場合は、病院でしっかりと鼻水を吸ってもらうことで楽になるでしょう。
気道に炎症を起こしている場合、吸入薬や炎症を抑える薬が必要です。
けいれんが5分以上続く、または繰り返す
たいていの熱性けいれんは2~3分で自然に止まります。
5分以上続く場合は薬を使わないと止まらない場合があるので、すぐに病院へ連れていきましょう。救急車を呼んでも大丈夫です。
けいれんを何度も繰り返す場合も注意が必要です。
特に、けいれんとけいれんの間で子供の意識が戻らない場合、脳へのダメージが心配されます。そういった場合もすぐに病院へ連れていくか、救急車を呼びましょう。
迷ったら、「#8000(子ども医療でんわ相談)」などを利用して、医療機関に相談しましょう。
家庭で様子を見る場合は、次の点を意識して観察しましょう。
- 水分が摂れているか
- おしっこの色、回数(半日以上出ていないときは注意)
- 顔色・呼吸の状態、ぐったりしていないか
- 発疹・嘔吐・下痢など他の症状の有無
- けいれんの有無
食べられるものを食べられるときに食べ、こまめな水分補給を意識して、ウイルスと戦うための体力UPと脱水予防に努めます。
小児科看護師からのまとめ
手足が冷たいときは「まだ熱が上がりきっていないサイン」。
この時期に冷やすのは逆効果です。
体を温めてあげて、ウイルスと戦っている子供の体の手助けをしてあげましょう。
熱が上がり切って手足が温かくなったら、クーリングで体を楽にしてあげてください。
解熱剤は「熱を下げるため」ではなく、「つらさを和らげるため」に使うものです。
体調や表情をよく観察しながら、必要なケアをしていきましょう。
辛そうな子供を看るのは心が苦しかったり、熱性けいれんが怖かったり、どうして良いか分からず親自身もしんどいですが、正しい知識を持って一緒に乗り越えましょう。
親が落ち着いて看病できると、その安心感は必ず子供にも伝わります。

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